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ローコスト住宅を建てるときは悪徳業者に注意!

お手ごろ価格で憧れのマイホームを建てられるローコスト住宅。興味をお持ちの方が多いかもしれませんね。ただ、ローコスト住宅を建てる時は悪徳業者に注意しましょう。「安かろう悪かろう」の家になることがあるからです。悪徳業者はどのように見分ければよいのでしょうか。注意したいポイントなどを解説します。

こんな態度は危険信号

最初に注意したいポイントはスタッフの質。悪徳業者の多くは、スタッフの教育に力を注いでいません。スタッフの入れ替わりが激しいからです。また、建てる家や施主に対しての愛情も薄いので、直接的に儲けにつながらない仕事に予算をかけたがりません。

適切な教育を受けておらず仕事に誇りを持ちづらい環境なので、スタッフの態度は横柄になりがちです。また、専門的な教育を受けていないので、家づくりに関する十分な知識も持ち合わせていないことが多いといわれています。よって、説明はあいまいになりがちです。あるいは、専門用語を羅列するだけの説明になりがちです。本人も意味を理解していないためと考えられます。

家の提案方法にも特徴があります。通常の家づくりは、施主と担当者で意見を交わしながら進めていきます。施主の希望を元に専門家が実現できること、実現できないことを評価していくからです。悪徳業者の場合は、意見を押し付けられることが多いとされています。利益優先で建てやすい家を建てたがるからです。こちらの意見を全く聞いてくれない場合などは注意が必要かもしれません。

以上の条件に合致する全ての住宅メーカーが悪徳業者というわけではありません。しかし、スタッフの質に問題を抱えているので、トラブルに巻き込まれるリスクは高くなります。気になる点がある方は、依頼するべきか慎重に見極めましょう。

悪徳業者がよく使う説明

悪徳業者に多いのが施工不良。多くの現場で追及されているので、真面目な業者に比べ逃げの説明が上手いとされています。最も多く行われる説明が、根拠を示さない「問題ありません」です。施主が具体的な説明や改善策を求めているのに、今の状態で問題ないとはねつけることが少なくありません。

同じく、良く行われる説明が「これくらいは許容範囲内」です。木は生きているから時間の経過とともに変化するなどの理由をつけますが、本物のプロであれば変化を計算して施工をします。技術力がないといっているようなものです。ここで納得せず追求すると「当社の規定の範囲内です」と説明されることがあります。あるいは、「構造的には問題がないので安心してください」などの説明がなされることもあります。規定範囲内であれば、構造に問題がなければ、どのような施工であっても良いのでしょうか。住宅メーカーの姿勢が現れている説明といえます。

以上は、主に家が建った後に行われる説明です。悪徳業者は家を建てる前からおかしな説明を行うことがあります。例えば「第三者機関を入れて検査を行っている」という説明。第三者機関が指定確認検査機関等の場合、どの現場でも行われている一工程にすぎません。当たり前のことを、特別に見せる点も悪徳業者の特徴です。これらの特徴がある住宅メーカーに注意しましょう。

必ず見積もりを取って他社と比較しよう

悪徳業者を避けるために行いたいのが見積もりを取って他社と比較すること。見積書には住宅メーカーの姿勢が現れています。価格の提示方法が住宅メーカーにより異なるからです。

住宅メーカーの中には、家を建てるために必要な金額を事細かに見積書に記載するところとどんぶり勘定とまではいえなくともざっくりとした金額しか見積書に記載しないところがあります。

よく似た仕様の住宅メーカーから見積もりを取って見積金額に大きな差がある場合、見積書の内容を詳しく確認するほうが良いでしょう。本体価格しか記載していないなど、家を建てるために必要な費用を記載していない可能性があるからです。このような住宅メーカーを選んでしまうと、契約後に多額の追加費用を請求されることになります。

複数の住宅メーカーから見積もりをとって比較すれば、おかしな点に気づくことができます。また、見積書を比較することで、住宅メーカーの誠実さを評価できます。面倒な作業ですが、トラブルを避けたい方は複数の住宅メーカーから見積もりを取って比較しましょう。

悪徳業者チェックポイント

以上のほかにも悪徳業者を見抜くために注意したいポイントはあります。次の点などに注意してください。

契約を迷うと大幅な値引きを提示

契約を渋ると大幅な値引きを提示してくる住宅メーカーには注意が必要です。見積もり価格に信頼性がないからです。信頼できる業者の見積もりは、家を建てる費用の積み重ねで構成されます。よって、簡単には値引きできません。値引きをするために、本来であれば必要な費用を削らなくてはならないからです。大幅な値引きを提示してくる住宅メーカーは、いい加減な見積書の作成、家づくりを行っている可能性があります。

契約を急がせる

契約を急がせる住宅メーカーにも注意が必要です。多くの住宅メーカーは、家が一生に一度のお買い物であることを理解しています。慎重に検討してから決めて欲しいと考えているので、基本的に契約を急がせることはありません。契約を焦らせる住宅メーカーは何かしらの理由を抱えていると考えらえます。例えば、自転車操業に陥っているなどです。悪徳業者の可能性(あるいは、結果的に悪徳業者になる可能性)があるので、契約を急がせる業者も注意するほうが良いでしょう。

建築中の家を見学できない

建築中の家を見学させてくれない住宅メーカーにも注意しましょう。多くの場合、「施工現場に来られると邪魔」などが理由のようですが、良い対応とはいえません。トラブルがあった時などに誠実に対応してくれない可能性が高いので、気を付けたい住宅メーカーといえます。

以上のほかでは、建築工事保険の有無・契約内容の詳細な説明の有無・相談窓口の有無などもチェックポイントになります。

「坪単価」の費用の内訳

先ほど説明した通り、住宅の価格の提示方法には決まりがありません。坪単価の意味は住宅メーカーにより異なります。

坪単価は「1坪当たりの建築費」という意味ですが、計算方法は住宅メーカーにより異なります。本体価格を延べ床面積で割る住宅メーカーと施工面積で割る住宅メーカーがあるからです。施工面積には、屋根裏収納や玄関ポーチなど延べ床面積に含まれない部分が含まれます。よって、施工面積を使用する住宅メーカーの坪単価は安くなります。坪単価を参考にする時は、どちらを用いているか確認する必要があります。

また、坪単価を計算するために用いる本体価格に含まれる費用も住宅メーカーにより異なります。基本的に、本体価格は標準仕様を元に算出した建物だけの価格ですが、住宅メーカーによってはその他費用(野外給排水工事費など)を含むところがあります。さらには、照明やエアコン、カーテンなどを含む住宅メーカーもあります。

住宅メーカーによって、坪単価の意味、本体価格の意味は異なるので、坪単価を参考にする時は家を建てるために必要な費用がどれくらい含まれているか確認することが重要です。

保証の内容

保証の内容も注意したいポイントです。家との付き合いは、建てる前より建てた後の方が長くなります。様々なトラブルに備えて保証が充実している住宅メーカーを選びましょう。

悪徳業者の中には、ベーシックな保証を特別な保証に見せているところがあります。例えば、「住宅の品質確保の促進などに関する法律」で義務付けられた基本構造部分(基礎・柱・床・屋根など)に対する10年間の瑕疵担保責任を特別な保証に見せかけている住宅メーカーなどがこれに当たります。どの住宅メーカーを選んでも受けられる保証なので、評価に値するポイントではありません。

基本的には、住宅に対する長期間の保証、設備に対する延長保証、アフタフォロー体制などが充実していれば安心して利用できると考えられます。これらの保証・体制が構築されていない住宅メーカーは注意が必要かもしれません。

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