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注文住宅で採用される工法とは

注文住宅を建てる時に用いられる「木造軸組在来工法」「木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)」「鉄筋コンクリート工法」「鉄骨組工法」。この4つの代表的な工法それぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。

木造軸組在来工法

木造軸組在来工法とは、日本の伝統的な工法です。筋交い(すじかい)と呼ばれる木の柱と梁で骨組みを組み、地震の揺れなど横からかかる負荷に耐えるという構造上の特徴をもつ工法です。

木造軸組在来工法のメリット

耐震性・断熱性に優れている

軽くしなやかな木を骨組みの筋交いに使うことにより、耐震性に優れた家になります。また、木は高い断熱性能を持っているので断熱性に優れた家が建てられます。

設計の自由度が高くなる

古来から用いられてきた工法で、日本らしいデザインをはじめ開口部の大きな自由度の高い家を建てることができます。とくに和風の住宅を得意とします。

木造軸組在来工法のデメリット

仕上がりにばらつきが出やすい

木材の加工や接合に技術を要し、職人の腕によってばらつきが出てしまうことがあります。現在は資材の加工は一括して行い、現場では組み立てのみという事も多いので、極端な差は生まれないようです。

害虫の被害に注意

床下や屋根裏の湿気に弱く腐朽しやすかったり、シロアリ等の害虫による被害が出ることもあります。予防策を講じる、定期的にメンテナンスを行うなどの注意が必要です。

木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)

アメリカから入ってきた工法で、1970年代から日本でも建てられるようになってきました。規格化された製材で壁を作り、壁で建物を支えるシンプルな構造になっています。

木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)のメリット

コストを安く抑え、仕上がりのレベルにばらつきが出ない

材料や釘は規格化されていて、施工方法も厳密に定められています。そのため職人の技術力で仕上がりに違いが出ることが少なく、洋風から和風住宅までいろいろなジャンルのデザインで家を建てることができます。

耐震性・気密性が高い

頭や針で支えるのではなく、壁面で全体を支える工法なので地震などの揺れに強い構造になっています。気密性が高い構造でもあるので、ランニングコストを抑えた家作りができます。

木造枠組壁式工法(ツーバイフォー工法)のデメリット

自由度が低い

壁の量と配置によって家全体を支えているので、好きな所に好きな大きさの窓を配置できない場合がある。そういった意味で自由度は低くなる

鉄筋コンクリート工法

コンクリートの芯に鉄筋を配した鉄筋コンクリートを柱・梁・壁・床等に用いた工法です。鉄とコンクリートのお互いの良い所取りをしながら弱点も補い合うという特徴を持っています。

鉄筋コンクリート工法のメリット

耐震・耐火・耐久性に優れている

頑丈で、火災に強く、芯で支えている鉄骨をコンクリートが守っているため耐久性も高いのが特徴です。防音性も高いので、カラオケルームやシアタールーム、楽器の練習スペースなどに使うこともできます。

自由なデザインに対応しやすい

型枠を作ることができれば自由にデザインに合わせられるのが特徴のコンクリートは、型枠次第で思考を凝らした家をつくる例ことも可能です。

鉄筋コンクリート工法のデメリット

施工コストがかかる

作業のほとんどを屋外で行うため、天候に左右されやすく工期が延びてコストがかさむこともあります。また、施工業者によっては出来上がりに差が出ることも。

冬寒く、夏暑い

冬は室内の熱が外に逃げやすく、夏は室内の熱気を溜め込みやすい特徴があります。冬寒く、夏暑い環境になりやすいので外断熱をする必要があります。

鉄骨組工法

木造軸組在来工法と同様の構造で、柱や梁に鉄を使用して骨組みを作る工法です。

鉄骨組工法のメリット

自由度の高さ

木造軸組在来工法と同様の強い構造なうえに鉄の柱でより強度が増すので、柱や壁をなくした広々とした空間を作ることができます。

安定の品質

鉄骨は素材が安定して作られているので、家の品質が安定します。耐震性も高く安心した暮らしを送れます。

鉄骨組工法のデメリット

冬は結露に注意

鉄には熱を通しやすいという性質があります。火災時の高熱に弱いことはデメリットです。また、冬は室内の暖かい空気が逃げやすくなります。室内と外の温度差によって結露も生じやすくなり、対策を打たずに放置すると黒カビ発生のもとになってしまうことがあります。

設計デザインの自由度が低い

大量生産された製品を使用するので、デザインへの適応度は低くなります。また、メンテナンスも同じ所へ依頼する必要が出てくる点でも自由度は低くなります。

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